FIREで住民税非課税世帯になって給付金をいただいた

住民税非課税 アーリーリタイアお金

FIREで住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金をいただいた

私、実は住民税非課税世帯なんですよね。
そりゃ、FIREして収入ほぼないですから、当たり前と言えば当たり前なんですけどね。

今年は、「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」がいただけることになり、働かざるして10万円+5万円=15万円がいただけてしまいます。

そりゃFIREしてるので、もらわなくても生きてはいけるのですが、そんなに余裕のあるFIRE生活でもないですし、根っからの貧乏性なのか、もらえるものをもらわないという選択もなかなか出来ねぇっす。

働いていないのにお金をいただくということに多少のウシロメタサもない訳ではありませんけどね。

さて、今日は、FIRE必須の知識として「住民税非課税世帯」について徹底解説します。ただし、以下の知識は私が勉強したり、市役所に問い合わせを行った結果ではありますが、お住いの市町村により異なることもあるので、最終的には必ず役所に確認をとって下さい。

住民税非課税世帯とは

文字通り住民税が非課税な世帯ということになり、分かりやすく言えば、まぁ所得がない又はほとんどない世帯(家庭)ということになります。

役所からすると、稼ぎが無さ過ぎて可愛そうなので、税金を取るのをやめてやろうと言う家庭です。
言い方は悪いですが、役所から「低(無)所得者」の認定を受けたということです。

ただし、住民税非課税世帯の条件は、前年度の所得で判定されるため、資産家で数億円持っていても、収入がゼロなら住民税非課税家庭になってしまうのも事実です。また、株式での譲渡益や配当は以下で説明しますが、申請方法によっては所得に含まれませんので、FIRE生活者は、住民税非課税世帯になりやすいのです。

私のようなFIRE、早期リタイア組は、当然、ある程度の貯蓄はあるのですが、収入がない以上、住民税非課税家庭となります。

住民税非課税世帯のメリット、デメリット

まず、メリットですが、その名のとおり住民税が課税されませんし、所得税も課税されません。
これは、そもそも収入がないので、当たり前と言えば当たり前ですが。
以下に解説していきますが、所得が少ないということで、間接的に国民健康保険の低減、年金の免除、高額医療の個人負担額が小さくなるというメリットがあります。
また、今年のような給付金がいただけることがります。更に子供がいる場合は、授業料や教育費の免除や援助があります。特に大学生の子供がいるときの支援はかなり大きいです(最大で年間160万円ほどの補助)。

以上がメリットですが、逆にデメリットと言うと特にありません。

冒頭にも書きましたが、「納税」という国民の義務を全うしていないというウシロメタサがないとは言えませんが、貯蓄があるということは、それまでに多額の納税を行ってきた証拠です。特に短期間で多額のお金を稼げば、累進課税なこの国では税率も高くなりますし、低(中)所得を長年続けるよりも、多額の税金を納めてきたことになります。

住民税非課税世帯になるための条件(要件)

個人住民税は、「均等割」「所得割」の2つがありますが、一般的に住民税非課税世帯とは原則「均等割」が非課税の世帯を言います。ただし、「均等割」非課税の方が条件が厳しいため、「均等割」が非課税の場合は、自動的に「所得割」も非課税になります。

以下のいずれかの条件を満たすと「均等割」(当然「所得割」も)が非課税になります。

  1. 生活保護を受けている → (FIREな人は資産があるため基本的には対象となりません。)
  2. 未成年者、障がい者、寡婦、ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下(所得が給与所得のみの場合は、給与収入が204万4000円未満)
  3. 前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下(以下で解説します)

住民税非課税世帯になるための収入(所得)

1.未成年者、障がい者、寡婦、ひとり親

上記に記したとおり、合計所得金額が135万円以下の方です。(給与収入なら204.4万未満)

給与換算根拠:204.4万円-給与所得控除(204.4×30%+8)=135.08万円→135万円(千円未満切捨て)

2.上記以外の一般的な世帯

「住民税非課税世帯」で検索すると基本的に東京基準で解説されていることが多いですが、これは、一般的には住んでいる級地(1級地は都会、3級地は田舎、2級地はその間の地域)により異なり、田舎ほど基準となる所得が低くなります。
ただし、自治体により異なるので、必ず「○○市 住民税非課税世帯」などとググる必要がありますが、一般的な市町村は以下の基準です。

◆1級地の場合
扶養家族なし:45万円(給与収入なら100.0万円以下)
扶養家族あり:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円

◆2級地の場合
扶養家族なし:41万5000万円(給与収入なら96.5万円以下)
扶養家族あり:31万5000円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+28万9000円

◆3級地の場合
扶養家族なし:38万円(給与収入なら93.0万円以下)
扶養家族あり:28万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+26万8000円

当然、家族全員がこの条件を満たさなくてはなりません。
例えば、3人家族で1級地域で夫が扶養者なら、下記のような所得なら住民税非課税世帯となります。

夫:35×3(本人、妻、子供)+31=136万円以下
妻:45万円以下
子供:45万円以下

住民税非課税世帯になるための収入(所得)計算の注意事項

ここでの注意点は、4点ありあります。

1.所得には給与所得控除のみ(自営業は経費のみ)を使用する

ここでの所得は、給与収入のみなら給与控除(給与が162.5万円までなら55万円)を行った後の数字になります。逆に言い換えれば基準所得に55万円を足した収入以下である必要があります。

1級地で扶養家族なしの場合
45万円(基準所得)+55万円(給与所得控除)≦100万円
※「100万円の壁」と言われるラインです

また、個人事業主やフリーランスの方は、単純に「収入ー経費」が基準額が超えないことが条件になります。数式で書けば

1級地で扶養家族なしの場合
収入ー経費≦45万円(基準所得)

どちらの場合も所得税の計算時に使用する基礎控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、医療費控除などは引かない金額となるので注意が必要です。

2.所得は合計所得である

ここでの金額は合計所得であることに注意が必要です。合計所得とは、給与所得だけでなく、配当所得、不動産所得、事業所得、雑所得(公的年金等に係る所得など)などの「総合所得」を合計した金額(純損失または雑損失等の繰越控除を適用する前の金額)のことをいいます。なお、土地・建物等の譲渡所得などの分離所得も含まれます。
ややこしい話ですが、「合計所得」と「総所得」というのは、税制上異なります。簡単に言いますと、損失の繰越控除の適用をする前が「合計所得」で、損失の繰越控除の適用をした後が「総所得」になります。

FIREで気をつけたいのが、株や先物取引(FX)で繰越控除をしている場合です。前年度に100万円の繰越損があっても、今年100万円の利益が出れば、合計所得は繰越控除をしない100万円として判断されます。

3.扶養親族には16歳未満の子供も含む

この計算で用いる「扶養親族」は、16歳未満の子供も含みます
またまた面倒な話ですが、一般的に所得税の計算に使われる「扶養親族」には16歳未満の子供を含みません。これは、16歳未満の子供には子供手当が支給されるためです。

4.配当や株式等譲渡所得は算定に入らない(入る場合もあります)

株の売買による利益や配当金については、特定口座で売買している限り、税金は源泉徴収されているので確定申告は不要です。特定口座での税金は匿名性があり、そもそも居住市町村は、株での収益は把握できません。

ただ、課税総所得額が900万円以下の人は、確定申告で配当控除を申請すれば所得税が還付されます。しかし、確定申告をしてしまうと、株による所得が役所に分かってしまうため、税金だけでなく、国民健康保険の負担なども増えてしまいます。
ここで活躍するのが、住民税の申告不要制度です。この制度は所得税の還付を受けながら、住民税については、申告しないという制度です。これを使用すると、住民税非課税世帯や国民健康保険についての影響がありません。この制度を利用しない手はないです。

何だか不思議ですけど、株による収益はどれだけあっても、住民税非課税世帯にはなり得ます。ただし、株で1,000万円の収益があれば、200万円以上の税金をそもそも支払っていますから、非課税と言いながら、たくさんの税金を払っていることにはなります。

住民税非課税世帯になるための手続き

手続きはなく、所得が基準以下であれば、自動的に住民税非課税世帯になります。アルバイトなど給与所得のみであれば、雇用主から「給与支払報告書」が役所に提出されるので、役所は所得を把握することが可能ですが、個人事業主やフリーランスの場合は、そもそもの所得を役所が把握できない場合があるので、確定申告(又は住民税の申告)をしておくべきです

私の住んでいる市町村では、各制度の減免や免除が必要なら、収入ゼロの申告をして下さいと言われました。

住民税非課税世帯と国民年金の免除

国民年金の免除には、住民税と同じような所得の基準が存在します。詳しくは年金機構のwebを見ていただくとして、一般的には以下の基準です。

(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

何か見たことありますね。
ここで再度、1級地の住民税非課税世帯の基準を出してきます

35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円

ほとんど同じなんですが、なぜか最後の32万円と31万円だけ異なります。
よって、1級地だと住民税非課税だけど年金は全額免除にならないケースも存在するのかもしれません。ただし2級地、3級地は、所得から判定すれば全額免除になります。

全額免除の場合は、年金を全く納めなくても、半分は国から支給されます。

具体的には(令和4年度)
◆40年納付した場合
支給年額:777,800円
◆40年全額免除となった場合
支給年額:388,900円

FIRE生活で年金を免除申請するかどうかは、これまた非常に難しい判断が必要です。
何だかおかしな感じですが、FIREでは長生きリスクが一番のリスクでもあるからです。

支払い額と支給額を比べて試算をするしかないですが、私の場合は、92歳より長生きした場合は、免除しない方が有利になります。ただ、長生き家系ではありませんし、免除していただいたお金を自分で投資した方が有利かと今は考えています。
ただし、免除された年金については、10年以内のものは後納も出来ますので、とりあえず免除申請しておくのも良い判断だと思います。

住民税非課税世帯と国民健康保険

国民健康保険については、全額が免除されるような要件がありません。7割軽減、5割軽減、2割軽減という3段階の軽減措置が存在します。

令和4年度の軽減判定所得については、次のとおりです。

軽減の基準となる所得金額
7割軽減 43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)
5割軽減 43万円+28.5万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)
2割軽減 43万円+52万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)

太線部については、給与所得者等の数が2人以上の場合のみ計算対象

こちらも所得により軽減となりますが、7割減となると、かなり厳しい基準となりますので、住民税非課税世帯=7割減とはなりません。ただし、概ね5割減の基準は満たすと思います。

住民税非課税世帯のまとめ

以上、住民税非課税世帯について、解説してみました。
制度としては、所得が少ないので住民税が非課税になるだけなのですが、行政としては、低所得者の認定ラインとして使用されるので、今年のように給付金がいただけたりする場合があります。
扶養の判定に使われる「103万円の壁」のような大きな収入ラインの壁ではないですが、ギリギリで住民税を課税される収入であるなら、しっかりと意識しておくと良いと思います。

ナンダカンダ言っても、たくさん稼いでたくさん納税するのが一番ではありますので、「住民税非課税世帯」というのはあえて目指すものではないように思いますし、目指したところで、それなりの貯蓄がないと生きていけないのでが実情です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました