私は、40代半ばでアーリーリタイア(FIRE)を達成しましたが、コツコツと節約生活をしてきたかと言われると全く逆の生活でした。
飲む、打つ、買うのは大好きでしたし、外食はしょっちゅうでしたし、後輩の飯代は全て払ってました。毎年、旅行には数回は行っていましたし、趣味でもかなりたくさんのお金を使っていました。
ただ、それでも共働きなのでお金は貯まっていきまして、気が付いたら、アーリーリタイア(FIRE)しても大丈夫なんじゃない?って状況になっていました。
その一番の要因について住宅ローンを組まなかったからだと思います。
ここでは、住宅ローン(特に新築一戸建て)を組まないメリットについて解説します。
持ち家(新築一戸建て)は、給料10年分と引き換え。アーリーリタイア(FIRE)開始が20年遅くなる。
はっきり言って、一般のサラリーマンにとって、新築一戸建ては高過ぎます。地方とは言え、それなりの土地を購入して有名ハウスメーカーで新築を建てると4,000万円ほど必要です。
安い土地にローコスト住宅を建てても2,5000万円は必要ではないでしょうか。
マンションでも同じくらいの相場でしょうか。
30代の平均年収は440万円弱なんて言われてますので、手取りでざっと350万円。
4,000万円/350万円=11.4年
2,500万円/350万円=7.1年
実に家のためだけに7年~11年働かなくてはなりません。
実際、ローン返済となると、給料の20%くらいでしょうか。
20%ということは、単純に5倍の期間が必要ということで、35年~55年も返済期間が必要になります。
昇給等がありますし、退職金払いなんて方法もあるから、実際はそこまでかかりませんが、それでもほぼ定年まで家のためだけに働き続けなければなりません。
一度ローンを組んだら、あと数十年は労働から絶対逃げ出せない
私が思う、一番のデメリットは、お金そのものというより、「もう絶対に労働を止められない」という恐怖。
正直、自分は公務員というある意味、超安定している職業でしたが、定年まで確実に働き続ける自信は全くありませんでした。
誰もがローンを組む時は、現状(以上)の給料水準が続いていくと考えがちですが、現在のコロナ不況のように明日は何が起きるかはわかりません。
ある日突然、首になる、会社が潰れる、そんな時でも毎月の返済は必ずやってきます。
そこまでいかなくても、あなたが怪我をする、病気にかかる、メンタルを壊すということは十分にあり得ます。
そんな時に、ローンの返済があると、もう病気の治療どころではありません。
ローンを組むということは、「返済が終わるまで働き続ける」という契約なのです。
そして、ローン返済を続けなくてはならないというプレシャーから、逆にメンタルを壊す可能性も十分あります。
辛い仕事環境に追い込まれても、ローンがなければ、退職するとか転職するなどの選択肢がありますが、ローンがあるととにかくキャッシュを生み出さなくてはならない。
そうすると、無理にでも仕事を続け、メンタルがやられ、最後には体も壊してしまいます。
住宅ローンというのは、自分の親を見ても、近所を見ても、同僚を見ても、「みんながしているから大丈夫」という何とも日本人らしい発想で組んでしまいがちですが、一生労働から逃げ出せない悪魔の契約なので、本当によく考えましょう。
地震や台風、水害など災害のリスク
「河川があふれ、流される住宅」こんなシーンって、毎年のようにテレビで見ますよね。
自分は、役所に居たので、リアルにこんなケースを何度も見ました。
また、大地震のたびに、かなりの数の家屋が倒壊します。
日本は、災害大国なんで、自分が買った家が、同じ目に逢わないとは限りません。
水害は、ハザードマップを見ておけば、概ね回避できるとは、思いますが、地震はどこで発生するか分かりません。
しかも、高額な地震保険に加入していても、火災保険の50%までしか補償されません。
最悪、家がないのに、ローンを払い続けるという恐ろしいパターンもあり得ます。実際に、東日本大震災ではこのパターンでローンを払えず、自己破産した方がたくさん居るように聞いています。
近所に迷惑住民が居ても我慢して住み続けなければならない
報道なんかでちょくちょく見るのがこのパターン。
大音量で音楽をかけたり、奇声を上げたり、ゴミ屋敷であったり・・・。
こんな迷惑住民が自分が買った家の隣に現れない保証は何もありません。
こういうトラブルって、警察や役所に通報してもなかなか収束しないんですよね。
ここまでいかなくても、ご近所さんとなじめなかったり、ママ友に仲間外れにあったり、色々とトラブルは発生します。
ローンで買った家なら、もうここから逃げ出すことはできません。
売ってから別の物件を買うという選択肢はあるにはありますが、家なんて、一度住んでしまえば価値は一気に下がります。
ただでさえ、ローンでいっぱいいっぱいなのに、次の物件を買うのはなかなか難しいでしょうね。
おススメは、中古の一軒家。1,000万円までに収める。
それでは賃貸かと言われると、アーリーリタイア(FIRE)を視野にいれるなら、一生家賃の支出が続くのは、精神的に厳しい。
やはりリタイアというのはキャッシュを生まないので、キャッシュが毎月確実に減っていくのは、ある意味、恐怖に近いです。
おススメは、中古の一軒家。築30年くらいなら、500万円くらいであります。
それを水回り中心に200万円くらいでリフォームすれば、十分住めます。
クロスやフローリングのリフォーム程度なら、誰でもDIYでやれちゃいますし。
固定資産税の軽減率も最小まで下がってますので、税金もお得。
ただ、中古物件は、それぞれが状態が異なるので、それなりに見ないと欠陥住宅を掴むリスクはあります。
出来ればリフォームをお願いする業者さんとか大工さんに相談して、一緒に物件を見てもらうといいです。
家も何件も見ていると、だいたいの良し悪しは分かるようになりますけどね。
中途半端な時代のハウスメーカーの家は、強度の弱い集成材を使っていたり、断熱のグラスウールが湿気がズリ落ちて、壁中がカビだらけだったりします。それなら、逆に大工さんが建てた4寸桧無垢柱で古い土壁の家の方が意外としっかりしていたりします。
自分も個人的にたくさんの物件を見て、下手な業者より詳しくなってしまいました。
あと、白アリの被害は要チェックですね。
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